2014年5月15日木曜日

環境ホルモンと自然素材

 
環境ホルモンは体内に取り込まれると、内分泌系と密接に作用しあっている免疫系や神経系に影響を及ぼし、身体全体の調節機能のバランスを乱します。
環境ホルモンには母親から子供へと次世代にわたって影響するもの、急性の毒性がある訳ではなく大人になってから現われるものなど、健康被害との直接的な因果関係の解明が難しいと言われていますが、現状ではアトピーなどの免疫系疾患、人の精子の減少、精巣ガン、前立腺ガン、子宮内膜症、子宮ガンなどについて環境ホルモンの影響が疑われています。
内分泌撹乱作用を持つと疑われている物質として、環境庁では約70種類の物質群をリストアップしています。これらにはダイオキシン類やPCB(ポリ塩化ビフェニル)、農薬(除草剤、殺虫剤)、ビスフェノールA(プラスチック原料)、ノニルフェノール(非イオン性界面活性剤の原料)など生活に密着するものも含まれています。
近年の住宅建築においては、人工素材や新建材を多用した住宅が建てられてきました。例えば、合板パーティクルボード壁紙用接着剤等に用いられるユリア系・メラミン系・フェノール系等の合成樹脂、接着剤、一部の糊等の防腐剤、ポリスチレン樹脂等を使用した断熱材、内装材等の施工用接着剤・塗料材、白あり駆除剤などはその一例です。このような建材から受ける環境ホルモンの影響も否めません。
そこで住宅においても様々な取り組みがなされるようになりました。平成15年7月に改正され施行された建築基準法では、ホルムアルデヒドの発散速度により建材をF☆の数によって4種類の等級に分類し、それぞれの等級ごとに内装仕上げの使用を制限しています。
ホルムアルデヒド発散速度による等級区分区
区 分ホルムアルデヒド
発散速度
区分記号使用制限
規制対象外0.005mg/m2h以下F☆☆☆☆
制限なし
第3種
ホルムアルデヒド
発散建築材料
0.005mg/m2h超
0.02mg/m2h以下
F☆☆☆使用面積制限
第2種
ホルムアルデヒド
発散建築材料
0.02mg/m2h超
0.12mg/m2h以下
F☆☆使用面積制限
第1種
ホルムアルデヒド
発散建築材料
0.12mg/m2h超-使用禁止
また、新建材を使うという考え方ではなく、最近では自然にある素材を建築材料として使うことも注目されています。自然素材は、素材自体が環境を調整していく機能を持ちます。素材自体が呼吸をし、吸湿・吸水性に優れ、湿・温度の調節が可能です。もともと自然界にあったものをそのままに利用しているため、身体に悪影響を及ぼすようなこともありません。
「家を使い捨てる」という考え方に基づいて短いサイクルで建替えていけば、それは大きなゴミが増える原因となります。その廃棄時、また新たに建物を建てていく過程でも環境ホルモンの影響は免れません。
ザ・ハウスのメールマガジンより引用しました。理想形です。
現実としては、
年数が経過しても機能的で快適に暮らせる住宅をいかに長く維持していくかということを考えることも重要です。しかし、日本は地震大国なので地震対策が絶対必要です。その場合耐震性能を確保するためには、構造用合板を利用する場合もあります。今の社会では、すべて自然界にあったものをそのまま利用すると高価になってしまいあるいは、耐震性能が?マーク家づくりがなってしまう場合もあります。
弊社では、できるだけ自然素材を多用しながら、現実的な事を踏まえながら家づくりをしています。日本の緩やかな規制よりも厳しい基準で家づくりを行っています。


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